胡蝶蘭が選ばれる理由
胡蝶蘭は就任祝い、開業祝い、人生の節目のお祝いなどの特別な場面でよく選ばれるギフトです。では、どうして胡蝶蘭を贈る文化があるのでしょうか。
胡蝶蘭が選ばれる理由

蘭は古代ギリシャ時代には子孫繁栄と結び付けられ、繁栄のシンボルとされていましたが、そうしたイメージは、現代でも受け継がれています。
もともとは亜熱帯地域に自生しており、イギリス人により自国へ持ち込まれ、世界中に広まりました。その後、より美しくなるよう品種改良を重ね、上流階級の貴族たちに愛されるような美しい白色の胡蝶蘭が流通するようになりました。
日本に伝来したのは約200年前の明治時代と言われていますが、高価な輸入品で一部の上流階級のみが楽しめる貴重なお花でした。
また、日本では、古くより言霊(ことだま)を信じ、言葉そのものの意味や響きを重視してお祝いの贈り物に“縁起物”を選ぶ風習がありました。

胡蝶蘭は、名前の通り「蝶が舞っているように見える」ことから、その名が付けられたといわれています。また、蝶は「長寿」「不滅」の象徴とされているため、縁起のよい花とされています。
「幸せが飛んでくる」という花言葉から、蝶のように幸せが舞い込んでくることを連想させ、上品さと豪華さが、さまざまなお祝いの場にふさわしいとされています。

特別なお祝いで贈る胡蝶蘭は、鉢植えのものが一般的です。鉢植えには「幸福が根付く」とも連想され、植物のなかでも比較的丈夫で、花も概ね1か月前後持つことから、今の地位や会社の業績が長く安定して継続することを願う想いを伝えることができます。
感謝の気持ちや祝福をしっかり伝えることができ、お祝いのギフトに最適な花として知られています。ビジネスにおいて今後の関係性を円滑にする効果が得られるでしょう。

胡蝶蘭の贈り物としての魅力
胡蝶蘭は、華やかで美しい花姿だけでなく、以下のような魅力も持ち合わせています。
- 縁起が良い
- 上品で華やかなのに飾る場所を選ばない
- 適切な管理をすれば長期間咲き続ける
- 水やりや肥料など、日常的な手入れが簡単
- 香りが少なく花粉がでない
- 季節を問わずに手に入る
胡蝶蘭を贈る際のマナー
・胡蝶蘭を届けるタイミングと場所
開業や開店の場合、当日か遅くとも一週間以内に贈るのがベターです。
前日にお届けする場合は不在の可能性もあるため、お受け取り可能なお時間を確認しておきましょう。
昇進祝いや就任祝いは、就任式などがある場合、それに合わせて贈ると喜ばれます。
近年は内定時に贈られるケースも増えつつあります。
・お祝いに贈る胡蝶蘭の相場
予算は、相手との関係性や付き合いの深さなどによって変わります。関係性に合わない贈り物をすると、失礼に思われたり負担になってしまったりするおそれがあります。
- 予算の相場の目安
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取引先:3~5万円以上
身 内:1~3万円前後
友 人:1~3万円前後
・胡蝶蘭の立ち数は「割れない」奇数で
ご祝儀と同様、胡蝶蘭の立ち数(鉢から出ている花茎の数)は割れない数である奇数が基本です。
・差出人の立札をつける
立札には、以下のように「お祝いの言葉」と「贈り主の会社名・名前」を記載します。

胡蝶蘭は、お祝いの気持ちを表せるビジネスシーンに最適な花です。贈る際にはいくつかの基本的なマナーがあり、それらを守って贈る必要があります。相手企業や店舗の負担にならないように、また不快な思いをさせてしまわないように心得ておきましょう。